子どもは叱ったほうがよい?心理師が解説する叱り方の考え方

子どもは叱ったほうがよい?心理師が解説する叱り方の考え方

こんにちは!

「またこんなに散らかして…」

「はやく○○をしなさい!」→(だいたい「いまやろうと思ってたのに…」の流れ)

「早くして!」

こんなやりとりは、日常茶飯事ですよね…!

夜、子どもの寝顔をみては「明日こそは叱らないで過ごそう」と心に誓い眠りについたはずが、翌朝また叱る…そんなお母さんも多いのではないかと思います。

できれば𠮟らないで過ごしたいけど、でも悪いことをしたのに叱らないのもそれはそれでいいのか…と悩むことも。

今回は、子どもを「叱る」ことについて、公認心理士の先生にお話を伺いました。

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こんにちは。私は公認心理師の田中と申します。

今回は相談で受ける事が多い、「叱った方が良いのか…」について、皆さんと一緒に考えていけたらと思っています。

子育ての中で、「どこまで叱るべきなのか」と悩む保護者の方は少なくありません。厳しく言いすぎてしまったのではないかと後悔したり、逆に甘すぎるのではないかと不安になったりすることもあるのではないでしょうか。

近年SNSを中心に、公共の場で子どものマナーが問題になるケースが多く見られ、SNSに投稿される多くは、「子どもが騒いでいるのに親が叱らない」という内容です。

しかしながら、子どもを厳しく叱ることは、心の成長として捉えた時に果たして良い事なのか?そのような葛藤の中で保護者の方は育児に奮闘されているのではないでしょうか。

●叱る・怒る理由は?

怒る理由は様々言われています。保護者の方の当時の置かれている環境や気持ち、体調などももしかすると要因の一つかもしれません。このような場合はアンガーマネージメントや環境整備、なぜ自身が怒っているのかを客観的に見つめることも大切かも知れません。

またマナーや社会性、協調性を構築するために一定程度の叱る事は必要とされている側面もあります。教育の分野では、叱らない子育ての弊害を述べているものも多く、人に迷惑をかけたときに「やってはいけないことだ」と伝えることは必要だとされています。

「叱る」ということは、ルールや規則、何が大切なのかという価値について伝える行為です。しっかり伝えることで善悪の区別がつくようになり、「叱る」ことは「学ぶ」ことにつながるとも言われています。

●叱りすぎるのも良くない?

まずは「叱る」という行為を考えてみましょう。

日常を切り取ってみれば、「片づけをしなさい!」「宿題はしたの?!」と強く叱り、渋々取り掛かっている子どもの姿を見るご家庭も多いかもしれません。

親にとっては叱らないと何もしないと思われているかもしれませんが、叱られた子どもは叱られたことで強い圧を感じている可能性もあります。

神経科学的には、強い圧を感じることでストレスを感じると言われています。ストレスの強い状態になると、子どもの心はネガティブな感情になりやすく、またその状態では脳の働きが一時的に低下する可能性もあるとされています。

●褒めるべきか叱るべきか…

「褒める」「叱る」の研究を集めてメタ分析した結果によると、ネガティブなフィードバック(叱るなど)よりもポジティブなフィードバック(褒めるなど)の方が、モチベーションなど各種のポジティブな心理的・行動的な反応をもたらすと報告されています。

つまり、叱ることが必要な場面はあるものの、日常の関わりの中では「できていることを認める」「努力を褒める」といった関わりが子どもの成長を後押しする可能性が高いと考えられています。

●事例紹介

6歳男の子Aくん、両親共に厳しい家庭であった。また兄は勉強や発表など、なんでも率先してできるタイプであった。Aくんはあまり自分を表現できない子どもであったため、事あるごとに両親から怒られた。

数年が経ち8歳になった頃、感情がなくなる症状の失感情症となり、受診となった。

もちろん全てのケースがこのようになるわけではありませんが、過度な叱責が子どもの心に影響を与える可能性もあることは理解しておく必要があるかもしれません。

●叱ることは機会の損失?

保護者の方から子どもが今後どのようになってほしいかのアンケートをとると、必ず出る項目の一つに「様々なことや、新しいことにチャレンジしてほしい」「自分で物事を考えられる人になってほしい」というものがあります。

このように思っている保護者の方は多いということです。

では「叱る」行為とはどのようなことなのでしょうか。もしかすると、ある意味では教え、諭すことなのかもしれません。叱ることはもちろん必要なことでもありますが、教え諭すことだと仮定するのであれば、自分で考え、取り組む機会を奪うことにつながることもあります。

●まとめ

社会性の構築などには勿論ある種、教え、諭すという事は必要不可欠な事かもしれません。

保護者として叱る場合には、ついカッとなってしまわずに、どうなったときにお子さんを叱りそうなのかをリストアップしてみたり、環境を整備することも必要かもしれません。

失敗は断罪ではなく機会と解釈すべきという言葉があります。

叱る、褒めるどちらが良いのかという議論はありますが、まずはなぜそのような行動を取ったのかを子どもに聞き、何が良くなかったのか、自分で考えさせる機会を与えるという事も、叱る前にできると良いかも知れません。

全く叱らない子育てというのもないと思いますので、仮に怒ってしまったとしても反省は大事なことですが深く考えすぎないことも大切です。

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先生、貴重なお話ありがとうございました!