ことばは、毎日の中で育っていく。|赤ちゃんから幼児期までの言葉の関わり方

ことばは、毎日の中で育っていく。|赤ちゃんから幼児期までの言葉の関わり方

ことばは、いつから教える?

子どもたちは、生まれたその日から、まわりのことばを聞いています。

だから、「ことばって、いつから教えればいいですか?」
と聞かれたら、答えはひとつ。

生まれてすぐから、です。

でも、そう聞くと、「たくさん話しかけなきゃ」と、ちょっと身構えてしまうかもしれません。

忙しい毎日。
家事も、仕事も、育児も。
ずっと笑顔で話しかけるなんて、正直むずかしい日もありますよね。

そんなときは、無理に「ことば」を増やさなくても大丈夫です。

赤ちゃんに向かって、好きな歌をうたってあげる。
笑顔で見つめる。
手でリズムをとる。

それだけでも、しっかりとしたコミュニケーションになります。

ことばは、声だけでなく、表情や空気の中でも育っていきます。


指さしが始まったら、ことばのチャンス

生まれて数ヶ月。
「あー」「うー」と喃語が出てきて、指さしが始まるころ。

この時期は、ことばの種がぐっと増える大切なタイミングです。

赤ちゃんが何かを指さして、
「あっ!」「ぶーぶー」と声を出したとき。

つい、「それは違うよ」と訂正したくなるかもしれません。

でも、ここで大切なのはまず肯定すること。

たとえば、葉っぱを指して「ばばば」と言ったとします。

そんなときは、

「そうだね、ばばばだね。
これは、はっぱ。はっぱだね。」

と、やさしく正式な名前を添えてあげます。

ゆっくりと、口の動きが見えるように。

そして、少しだけことばを広げます。

「はっぱだね。みどりできれいだね。
ほら、ほかにもいっぱいあるね。」

ことばは、単語だけでなく、
文の中で出会うことで、意味を深めていきます。


触って、感じて、ことばになる

同じ葉っぱでも、形や手ざわりはさまざまです。

「こっちはギザギザだね」
「こっちはつるつるだね」

そんなふうに声をかけながら、実際に触ってみる。

見る・触る・聞く。
この体験が重なるほど、ことばはしっかりと心に残ります。

※この時期はなんでも口に入れやすいので、誤飲には注意してくださいね。


話し始める時期は、それぞれ

「うちの子、ことばが遅いかも…」

そんな心配をされる方も多いですが、ことばの育ち方は、本当にさまざまです。

たくさんため込んでから一気に話し始める子。

覚えたらすぐに使う子。

ゆっくり進む子もいれば、急に伸びる子もいます。

どれも、その子らしい成長のかたちです。


ひらがなは「ことば」で覚える

幼児期になり、小学校入学が近づくころ。

「ひらがな、どう教えたらいい?」
と悩む方も増えてきます。

この時期は、一文字ずつではなく、ことばとして覚えるのがおすすめです。

「あり」
「ねこ」
「いぬ」
「みず」

実際のものと結びつけることで、文字はぐっと身近になります。

子ども自身が興味を持つ、好きな生き物の名前から始めるのもいいですね。


想像力を育てる「耳だけの絵本」

もうひとつおすすめなのが、読み聞かせCDつきの絵本です。

普通は絵を見ながら聞きますが、ときどき「耳だけ」で聞く時間をつくってみてください。

抱っこのとき。
車での移動中。
ゆったりした時間に。

絵がないぶん、子どもたちは頭の中で自分だけの物語を描きはじめます。

想像する力。
考える力。
そして、ことばの力。

ゆっくりと、でも確実に育っていきます。


ことばは、毎日の中にある

特別な教材がなくても、難しい教え方を知らなくても、

日々のやりとりの中に、ことばを育てるヒントはたくさんあります。

指さしに応えること。
一緒に感じること。
やさしく広げること。

その積み重ねが、将来の学びの土台になっていきます。

ことばは、教えるものというより、一緒に育てていくもの。

焦らず、その子のペースで、ゆっくりと見守っていきたいですね。