好奇心と探究心は赤ちゃんの頃から芽生えるもので、幼児教育(親子の関わり)にも関連してくるものです。今回は、好奇心と探究心とは何か、それぞれを育むための工夫の仕方について、保育現場で保育士として活躍されていた方にお話を伺いました!
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好奇心と探究心とは?
好奇心と探究心、似ているように感じますが、好奇心は「広い範囲にわたって興味を示す」ことで、探究心は「興味を持ったことを深く掘り下げる」ことです。好奇心から始まったものが探究心へとつながっていきます。これらは大人になっても影響があるもので、好奇心や探究心が旺盛であることは、学ぶ意欲や調べる能力、行動力、ストレス耐性などにつながると言われています。
子どもの好奇心のサインは?
好奇心と探究心、いずれも年齢的には「3歳ごろ」が一つのポイントになりますが、これはあくまで目安です。子どもそれぞれに好奇心のサインがあり、やがて探究心へとつながっていきます。
例えば赤ちゃんが顔や物をじっと見つめるという姿、これは好奇心の芽生えとも言える行動です。3歳前後には「なんで?」という言葉が増えます。これは好奇心が盛んになっているサインであり、探究心へつなげるチャンスでもあります。他にも好きなものが決まってきた(電車が好き、動物が好き など)ということも好奇心や探究心が芽生えるサインと言えますね。なかなか好きなものが決まってこないというお子さんもいると思いますが、「興味の幅が広い」場合や「これから決まってくる」場合も多いため、あまり神経を尖らせずお子さんのペースに寄り添ってあげましょう。
子どもの好奇心、探求心は放っておいても子ども自ら育つ部分もありますが、まわりの大人がそのサインに気付き、それに合った関わり(幼児教育)をしてあげることで、より伸ばしていくこともできるのです。
子どもの好奇心のサインに気付いたら?
子どもの好奇心のサインに気付いたら、せっかくだから大人は応えてあげたいですね。子どもの好奇心と探究心を伸ばすには「子どもの疑問に向き合う」「子どもの興味の邪魔をしない」などがよく言われることです。時間や余裕がある時には「動物園や水族館に行く」「外で一緒に遊ぶ」「図鑑を一緒に読む」「習い事をする」などもよく言われていることですね。
しかし現代のお父さん、お母さんは家事、育児、仕事を頑張っていて「なかなか理想通りにはいかない」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は好奇心と探究心は、日常のちょっとした工夫でも広げることができるんです。もしかしたら、普段の何気ないことがすでに子どもの好奇心や探究心につながっているかも知れません。ここからは子どもの好奇心を刺激する工夫の仕方と、探究心につなげるための工夫の一例をご紹介します。
好奇心を刺激する工夫
その1.壁を活用する
お部屋の壁にポスターなどを貼ってみるというだけで、好奇心の刺激につながります。子ども向けの本に付録で付いているものや、最近ならネットでも様々な写真をダウンロードすることができます。
またお風呂の壁を活用する方法もおすすめです。ひらがなやアルファベット、日本地図など、100円ショップでも手に入るものも多数ありますね。実は私自身も活用した方法で、いろいろなことに興味を持つことにつながりました。
その2.「なんでだろうね?」と答える
子どもの好奇心のサインである「なんで?」に対して、「なんでだろうね?」「なんでだと思う?」と答える方法もあります。これは好奇心を刺激するだけでなく、ここから子どもの探究心や想像力にもつながっていきます。
もし大人が答えを分かっていることを聞かれても、すぐに正解を教えるのではなく、ちょっと言葉がけを工夫してみてはどうでしょう。
その3.大人の趣味や特技を見せる
お父さん、お母さんをはじめ身近な大人が自分の得意なこと、好きなことをしている姿を見せるということも子どもの好奇心を刺激することにつながります。料理、スポーツ、絵、ドライブなど何でも構いません。子どもにとっては「大好きなお父さんやお母さんがしているこれはなんだろう?」「自分も一緒にやってみたい!」となる場合もあります。保育士も現場で自分の特技は積極的に生かしています。
大人も楽しめることを子どもと一緒に行うだけでも、十分に好奇心を刺激できますよ。
その4.新しいワードに注目する
お子さんが保育園や幼稚園に通っている場合、そういう場所で覚えてきた新しいワードも好奇心から探究心へとつながるチャンスです。さりげなく会話に盛り込んでみたり、関連する本やおもちゃを与えてみたり、できる範囲でやってみるのも良いでしょう。
探究心へとつなげるための工夫
続いて探究心へとつなげるための工夫の仕方です。気付いた方もいらっしゃるかも知れませんが、好奇心を刺激することがそのまま探究心へとつながることも多々あります。ここからは好奇心のところで触れたこと以外の工夫をご紹介します。
その1.図鑑や辞書を子どもの側に置いておく
子どもが遊んだり、生活したりする部屋に図鑑や辞書を置いておき、いつでも手に取ることができるようにしておくという方法は「自分で調べる」「自ら見る」ということが身近になる効果があります。気になったことを自分で調べてみることがダイレクトに探究心につながっていきます。図鑑や辞書を子どもが自ら手に取った際には「自分で調べてみるのね」と一言添えてあげるだけで意欲や自己肯定感にもつながります。
またおもちゃや画用紙、折り紙など、子どもが自分でやりたいものを選べるように置いておく、という方法も探究心につながりやすいため、保育園でも実践しているところがあります。
その2.「調べてみたら?」と声をかける
「なんで?」に対して「調べてみたら?」と声をかける方法も効果的です。探究心だけでなく「自分で調べたり考えたりして答えを出す経験」を得ることができます。どうしても答えが出せない、大人もわからないことであれば親子で一緒にネットを駆使して調べるというのも大いにありですね。
まとめ
子どもにとって、休日のお出かけなどで得られる「特別な体験」というのも大事ですが、それだけではなく普段の何気ないところでも子どもの好奇心や探究心は育っていきます。日常でできることから子どもの「もっと知りたい!」という気持ちにつなげていってくださいね!