ゲームは悪か?メリットとデメリットを知り正しく理解しよう!

ゲームは悪か?メリットとデメリットを知り正しく理解しよう!

こんにちは!

今の時代、やったことが無い子どもの方が珍しいのではないかと思えるくらい子どもたちに大人気の遊びであるゲーム。

お友だちの輪に入れなくなってしまうのもかわいそうだから買い与えるべきなのか?

「ウチはウチ、他所は他所」を貫いて買わないのか。難しい判断ですよね。

今回は、子どもの「ゲーム」について、公認心理士の先生にお話を伺いました。

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こんにちは。私は公認心理師の田中と申します。 

今回は私も相談を受けることが多い内容のひとつ、「TVゲーム、スマホゲーム」について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。 

 

「毎日娘がゲームをしすぎます。ゲームは良いことなのでしょうか…?

「クリエイターやプログラマーなどの需要も高くなっているから、若いうちからパソコンやゲームに慣れておく方が良いのですか?

このような質問や相談は多くあります。

特に近年は通信機能なども進化していて、家にいても友達と同じゲームが出来る時代です。子どもたちは楽しくてしょうがないとは思いますが、お父さんお母さんは少し心配になってしまいますよね。

ゲームにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか? 

 

ゲームで脳が発達? 

スウェーデンのカロリンスカ研究所の研究チームは、テレビやソーシャルメディア、ビデオゲームなどスクリーンを眺める時間が、子どもの知能にどのような影響を与えるかを追跡調査しており、男女関係なく2年後の測定でIQが平均より約2.5ポイント高くなっていたこと、またテレビや動画の視聴やソーシャルメディア上での交流においては、プラスにもマイナスにも有意な効果は認められなかったという結論を出しています。 

また別の研究でもテレビゲームを1日3時間以上する子どもはゲームをしない子どもに比べ、記憶力と衝動制御のテストで好成績だったとの研究もあります。 

 

ゲームの悪影響 

それなら、ゲームはやればやるほど良いのではないか?と思われがちですが、悪い面に関しても、考えていきましょう。 

書籍による「ゲーム脳」の提唱でも知られた脳神経科学の研究者である森昭雄教授の研究では、6~29歳の男女240人を対象にしたテレビゲームの研究を行っており、森教授は、「ゲームでは視覚と運動の神経回路だけが働き、”考える”ことが抜け落ちる。ゲームを長く続けると、前頭前野の活動低下が慢性化する。テレビなどの視覚刺激になれた人(ビジュアル脳)は”ゲーム脳”に移行しやすい。」、「テレビゲームは緊張や恐怖心をあおるものが多く、自律神経などへの影響も心配だ。」と結論付けています 

また前頭前野の活動が低下するということを考えると、大脳の前頭前野は、脳の本能をつかさどる部分を抑制する働きがあり、ここに損傷をうけると、感情のコントロールが上手く出来ないことも分かっています。 

 

依存症? 

ンターネットやゲームのめり込んで『ゲーム依存症』になってしまう人もいることも周知の事実です依存症になると、何をするにもゲームが優先してしまう現象です。 

アメリカ精神医学が発行している「精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)」世界保健機関(WHO)が作成している病気の分類ICDでも疾患の一つとして診断基準ができるほど、ゲーム依存症は世界的に問題となっています。

上記の精神疾患の診断・統計マニュアルの第5版(DSM-5)では今後の研究課題としてゲーム障害の診断基準は

①渇望

②離脱症状

③耐性

④コントロール障害

⑤ほかへの興味の喪失

⑥否認

⑦嘘をつく

⑧逃避的使用

⑨社会的機能への障害

の9項目あり、国際疾病分類第11版の改訂版ICD-11では

①ゲームをする時間や頻度を自ら制御できない

②ゲームを他のどの活動よりも優先する

③問題が起こっているにも関わらず続ける

などといった状態が12ヶ月以上続き、社会生活に重大な支障が出ている場合にゲーム障害と診断されます。 

 

事例紹介① 11歳 男の子 

ゲームをやめれないと保護者から相談

すぐに怒る、イライラしているという特性もあり、 WISCⅣ(ウェクスラー式知能検査)という心理検査を実施。 その結果脳の前頭葉機能が低い点となっていた。 

WISCⅣ(ウェクスラー式知能検査) 

この検査は言語理解(語彙力、意味理解)、知覚推理(視覚認知)ワーキングメモリ(聴覚系短期記憶)、処理速度(目で見て手で処理していく速度)という4つの指標得点で評価します。対人コミュニケーションの困難さや、衝動性多動性、不注意などの問題を抱える児で、ワーキングメモリが低いという傾向がみられます。ワーキングメモリの下位項目は、数唱、逆唱、語音整列、算数などの単純な検査内容ですが、脳の前頭葉機能をよく反映すると言われています。 

 

事例紹介② 12歳 男の子 

これまでゲームをさせてこなかった12歳の男の子。 家ではもちろんゲームは買わず、運動用具しか買ってこなかった。 

最近帰るのが遅いためよくよく聞くと、友達の家でずっとゲームをしているということだった。流石に友達の家にも迷惑がかかるため、買い与えることにしたという。 

時間は特に決めず本人に任せていたが、気づけばゲームしかしなくなっていた。またゲームを取り上げようとすると怒りが爆発するようになってしまった。もう、親では対応ができない。今まで与えてこなかったことも関係しているのでしょうか?もしかしたら小さいうちから与え、時間を決めルールの中でゲームさせたり、時間なども含め子どもとしっかり話し合いながら対応すれば良かったのか今では思ってます。

と保護者から相談があった。 

その後は依存症治療や家族教育も含め、包括的に関わりながら少しずつ改善していった事例でした。 

 

まとめ

ゲームは良いのか?悪いのか?とそこばかりが議論されがちですが考え方次第では脳や発達において、良い影響があることも事実です。

ただし、悪い影響もあることは事実なので、子どもにもわかるように伝えていくことが、まず必要となるのではないでしょうか。なにも意地悪をしたくてゲームがダメって言っているんじゃないことを、子どもに理解してもらうことが第一歩です。 

大切なことは、ゲームの良いところ、悪いところを大人も子どももまずは理解すること、そのうえで、じゃあ我が家ではどうしていくのがベストなのかを親子で一緒に考えることだと思います。

親も子も納得できるルールを決めたら、見守ってみることも大切なことかもしれません。

これからも新しいゲームや、それを超える遊びも出てくると思いますので、上手に付き合っていけるといいですね。

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ゲームと上手に付き合って、時には親子で楽しめたりすると、絆も深まるかも知れませんね!

先生、貴重なお話しをありがとうございました。