自己肯定感と幼児教育
子育てをしていく中で、自己肯定感という言葉を見たり聞いたりしたことのある方、いらっしゃるのではないでしょうか。自己肯定感は幼児教育にもつながりがあるものです。今回は自己肯定感について考えていきましょう。
自己肯定感とは?
そもそも自己肯定感とは何なのでしょう。それは「ありのままの自分を受け入れる感覚」や「いいところも悪いところも、そのままの自分が好きという感覚」といった言葉で表現されます。
自己肯定感の根底にあるものは「愛されている感覚」です。これは大人との関わりの中で育つことができるものです。
自己肯定感の大切さと育児・幼児教育との密接な関わり
自己肯定感と幼児教育はつながっていると書きましたが、どういうことでしょうか。幼児教育と聞くと難しく考えてしまいがちですが、大人との関わりがそのまま幼児教育になるのです。絵本を読んであげたらそれは幼児教育ですし、一緒にご飯を食べたらそれも幼児教育です。そして幼児期は大人とのちょっとした関わりの中からでもどんどん吸収し成長していく時期です。
子どもが日常の中で、大人と関わったことが幼児教育になり、そこから自己肯定感が生まれてきます。だから自己肯定感と幼児教育はつながっているのです。
自己肯定感は子どもが将来、課題などにぶつかった際に自分で解決する力になります。自己肯定感が「愛されている感覚」から育つのであれば、ぜひたくさんそのように感じてほしいと思いませんか?
自己肯定感を育む家庭での取り組み方法
自己肯定感を育む方法の、正解はないと言えるのかも知れません。ヒントがあるとすれば「ちょっとした工夫」でしょうか。ここからはそんなヒントになる、家庭での取り組み方法の例を紹介します。
(赤ちゃんからできる取り組み)
・心を込めて抱っこをする
赤ちゃんを抱っこする時、心を込めて抱き上げるというものです。それだけでも赤ちゃんは感じ取るものがあるようで、色々なことがわかるのですね。大きくなってくるとなかなか抱っこは大変になってきますが、甘えてきた際にハグする時にも応用できそうです。
・実況中継
子どもの動きを一つひとつ言葉にして実況中継してみるのも面白いです。例えば物の認知が進み、手で触るようになったら「見ています」「触りました」。座って食事ができるようになったら「お野菜食べました」「ご飯を持っています」など、それだけで子どもは見てもらえていると感じることができ、自己肯定感へとつながっていきます。
年齢が上がっても、着替えや片付けなど自分でできることをやってほしい場面で使うことができます。
(言葉の理解が進んできたら)
・会話の工夫
お話しするのが上手になってきたら、会話を少し工夫するだけでも自己肯定感を育むことにつながります。「フォークで食べなさい」ではなく「フォークあるけど使う?」という言葉に替えるだけで自己決定をする機会を作ることができます。時計を理解し始めたら「もう片付けよう」ではなく「何時に片付ける?」など、様々な工夫ができると思います。
時間などは年齢が上がっても活用することができますね。
(聞くという意識が見られ始めたら)
・大人の会話を聞かせる
子どもたちにとって身近な大人同士の会話も教養になります。こういった日常の大人同士のやりとりからも自己肯定感につながります。
(自我が芽生え、主張するようになってきたら)
・オウム返し
イヤイヤ期や子どもが怒っている時などは、大人が子どもの言ったことをオウム返ししてみるのもよいです。自分の言葉を耳で聞くことで、子どもは冷静になることがあります。
オウム返しは子どもが怒っている時だけでなく、様々な場面でも使うことができます。例えば子どもが何を言っているかわからない時に、言っていることを時々オウム返ししてあげるだけで「聞いてもらえている」という感覚になります。保育士もよく使う技です。
(大人との会話が成り立ち、自分の感情をコントロールできるようになり始めたら)
・わざとそっけない答え方をしてみる
子どもが何か求めてきた時にわざとそっけない返答をしてみるのも一つの方法です。そこから子どもは「こんなにざわついた気持ちになるんだ」と体感します。直後に「ごめんね、今〇○しているからあとでやろうね」とフォローします。すると今度は「丁寧に言われるとこんなに違うんだ」と体感します。ここから子どもたちは、必要な知識や会話力を学んでいくことができます。
(体力が付き、睡眠時間が少しずつ短くなってきたら)
・ふれあいタイムを作る
育児、仕事、家事など忙しいお父さんお母さんも多いかと思います。少し寝る時間が遅くなりますが夜にふれあいタイムを作るのも良いです。「保育園でお昼寝しているからその分」という考えの保護者の方がいて、私自身「なるほど」と思ったことがあります。
(活動が増え、自分で考えることが増えてきたら)
・応援をしないでみる
子どもが何かに取り組もうとしたができなかった時「がんばれ」や「やめたくなったらやめていいよ」と言わずひとこと「やめたのね」と事実を言うだけにしてみます。それだけで子どもは「本当にいいのかな」など自分で考える力を身に付けていきます。
まとめ
今回は自己肯定感について、それを育むための取り組み方もご紹介しました。ここで挙げたものはあくまで一例です。取り組んでみたことから大人も子どもも様々な発見があり、そこからまた次の取り組みにつながっていくかと思います。
自分なりのやり方を見つけて、お子さんの成長をぜひ楽しんでみてくださいね。
by ふくだ