#05_将来の学力につながる『幼児期の学び』とは 〜自発性が育つ環境について〜

05_将来の学力につながる『幼児期の学び』とは 〜自発性が育つ環境について〜

こどもの探求心は、計り知れないものがありますよね。生まれてからの赤ちゃんは、いろんなものに興味を示し、動くもの、色の強いものを目で追います。

気になるものがあれば、手に取り、四方八方からながめたり、口にいれて、形、材質を確かめる様子が、多くみられるようになります。(この頃は、何でも口にいれるので、誤飲には、気をつけなければなりません)

ハイハイが、できるようになりますと、見えない場所への、探索活動も始まります。よく見られる光景では…  ティッシュを無限に出しつづけたり、タンスの引き出しを開けて、中身を全部取り出してみたり。この頃は、一瞬たりとも目が離せませんよね!!

 これらの行動を、保護者の方から見れば、『イタズラ』と認識されていることが多いと思いますが、実は、このイタズラのような行動自体は、赤ちゃんの興味、探求心によるものといわれています。

本当は、もっと早期から、自発的な学びや、周囲への働きかけは、行われているのですが、これらの探究心は、周りの大人からも確認できる赤ちゃんの学びの芽生えであり、将来につながる、自発的な学習意欲の基礎となります。

乳児期から成長し、幼児期に入りますと、さらに視野は広がり、これまで見たことがないような、景色や、物、虫や生き物の存在に気がつきます。

例えば、道を歩いている時、虫を見つけると… この虫は、なんという名前の虫なのかどんなものを食べているのか今、何をしているのかと、次々に、疑問を抱き、答えを周りの大人に、求めるようになります。

遊んでいる途中でも、どんどん、疑問が、わき起こります。

雨が降った次の日、土をほったら、なぜ、泥水が出てくるのか お花は、どうしてきれいな色をしているのかお花の周りには、なぜ、蝶々やハチがとんでいるのか、などなど、

 「なぜ?どうして?」と、子どもたちは、たくさんの疑問を持ち、見たもの、気がついたことに、興味関心を示します。

このように、疑問をもつきっかけとなる、遊びを通した実体験の中での活動は、将来の理数系思考に、つながっていきます。

よく、自主的に学習するお子様がいらっしゃいますが、そんなお子様は、この時期から、学びの意欲を、ずっと持ち続けており、その突き動かされる学びへの興味や意欲が、その後の学力につながるのではないかと私は、思うのです。

そこで、幼児期においては、知りたいことについて、詳しく書かれている教材が、身近にあった方がよいのではないかと考えます。

携帯の検索などに頼らず、自分自身の意思で、知りたいと思ったタイミングで、疑問に思う事の答えを探すことは、 自発性、積極性を育み、自分自身で調べて、答えを見つけたという達成感を感じることとなるからです。

 私のおすすめは、どこでも持ち運べる、小さなポケット図鑑。お散歩などを通して、保護者の方と外出する際には、このポケット図鑑を携帯し、わからないことを、一緒に調べたり、お子様が、 自分で調べることができるように促す事が、よい効果を生むのではないかと思います。

学びの土台を形成できるのは、乳幼児期~学童期が、主となりますので、しっかりと、学ぶ意欲を育てていくことが、大切です。では、この学びの意欲をずっと持ち続けられるように、促すためには、どうしたらよいのか…。

そして、保護者の方は、そんなお子様に対してどのようなアプローチが、必要なのでしょうか ?それは、学習の課題を出すのではなく、お子様の遊びに寄り添った『言葉かけ』に尽きると思います。

 大人がテキストを用意して、学び方や、考え方、解決の方法を、教えることも、一つの学びの過程ですが、 それは、小学校からの教育で、いつか、訪れるもの。

幼児期は、経験や体験を積む段階です。私が、思うのは、幼児期には幼児期に適した形の、学び方がある!と、いうことです。幼児期の学びは、こうしたら、なぜそうなるのか、どうして、こういうことがおこるのかなど、『なぜ?』の答えを子ども自身が、遊びを通して、自分で探すことです。

学びの根本にある体験を、飛び抜かして、難しい問題に取り組むことより、遊びから生まれる自由な環境の中で自然に沸き起こる疑問、そして、自発的な遊びを促すことが大切だと感じます。

 お子様が、自分で生み出す遊びは、見えないところで、力を発揮します。自発性を育て、学びに対する興味関心を次々と引きだす力です。

遊びから得た学びは、子どもたちの記憶の奥底に残り、学童期以降の、理科や物理の基礎となり、ぐんぐん芽を出し、育っていきます。そして、その体験を基礎として、小中学校の学問の理解へと、つながっていくと思うのです。

学童期に入り、理数系の問題に出会うことが多くなる頃には、幼児期に、多くの遊びによる体験を行ったお子様は、実体験として、学習のイメージをつかみやすく、理解しやすい傾向にあると感じます。

このように、 将来の学力を向上させるために、幼児期に必要な学びとは、保護者の方の温かな見守りの中で、さらには、園生活の中で、自由な環境での遊びを通して、たくさんの経験を積むことだと私は思います。

全力で遊ぶ自由に遊ぶことができる貴重な時間を、より多くつくること。これが、考える力を育むこととなり、将来の学力へと、つながっていくと考えています。

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by 梅本のん

 

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